仮想通貨トレードでよく使われるBuy The Dip (BTD)とは

資産運用

仮想通貨投資戦略の一つの概念であるBuy The Dipについて記載します。

BuyTheDipとは?

Dip(ディップ)とは、突然下がる、沈む、急降下するという意味の英語です。

文字通り『Buy The Dip』(読み:バイザディップ)とは、価格が急降下した時に買うという意味で仮想通貨界隈ではよく使われています。

既に仮想通貨を持っている人はこのような急落時にHodlDiamond Handsを発し、保持している仮想通貨を決して売らない意思表示をすることが多いのですが、急落した仮想通貨を持っていない投資家、またはさらに買い増しをしようとしている既存ホルダーがBuy The Dip!と言って、急落時に購入する事を表す言葉として知られています。

Buy The Dipの頭文字を取り、BTDと略語の形で表現することもあります。

また、短期間で非常に強力な価格下落をした場合は、Buy The Fucking Dip(めちゃくちゃ落ちた価格で買う、もしくは買え)と言われたりもしています。

また、このBuy The Dipという言葉は自分が購入するだけでなく、他の投資家や自分のフォロワーに対して購入を促す意味でインフルエンサーが使っていたりもします。

Buy The Dipは、落ちたら買う、そして高くなって売るという非常に単純な仮想通貨投資戦略の一つとして知られているのです。

Buy The Dipは良い投資戦略なのか?

さて、このBuy The Dipですが、投資戦略としては有効なのでしょうか?

なぜ、この言葉が仮想通貨トレーダーや暗号通貨フリークの間で広まったかというと、今までこの戦略が有効であったからに他なりません。

短期的に下落した価格は一時的な異常を表しているという仮定に基づいていて、いづれ下落は元の価格体に戻されると一般的には考えられています。

短期的に急降下した価格体での仮想通貨購入は結果的には値を戻し、利益を出すことが可能だったからです。

とくにバブル相場での急な下落は値を元に戻す確率が非常に高かった為、この言葉はバブル相場で特に利用されることが多くありました。

ただし、投資に絶対はありません。

Dipしたままずっと下落していってしまったことも、暗号通貨ではごくごく普通に起こりえます。

インフルエンサーがBuyTheDipと言ったところで、価格が元に戻る補償などないのです。

ずっと下がり続ける可能性の方が高いかもしれません。

もちろん長期的に見れば上がる可能性もあります。

実際、2017年や2021年のビットコインがそうだったように暴落したとしてもまた同じ価格帯に戻り、さらにATHを更新し続けました。

特にビットコインの価格は、これまで4年毎に訪れる半減期によって度々前回バブルの高値を更新し続けてきた、いわば規則性、季節性のあるチャートを繰り返してきたのでよりこのBuy The Dip戦略が功を奏した投資戦略だったとも言われています。

この長期的な上昇トレンドが今後も続くのであればBuyTheDip戦略は有効かもしれません。

話しを少し昔に遡らせていただきます。

1930年代、Ralph Nelson Elliottというアナリストが、株式市場で75年間に渡る長期の異なるインデックスを研究しました。

その研究の結果、チャートの動きが投資家の心理学や感情に合わせて波と呼ばれる上下パターンを繰り返して動くために株価の動きを予測できるという理論をエリオットは発表しています。

いわゆるエリオット波動論と言われる今では非常に有名な投資法の一つです。

このBuy The Dipも少なからず、このエリオット波動論に影響を受けていると言われています。

しかし、暗号通貨だけに限らずあらゆる種類の他の投資と同様に、未来は予測できません。

このエリオット波動論も完ぺきな投資方法ではなく、あくまでも投資方法の一つ、インデックスの一つとして使用されるのが望ましいとされています。

暗号通貨の世界ならば尚更です。

過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではないのです。

BuyTheDip戦略を取る場合、急落した仮想通貨が反発し価格が上がる可能性もあるが、二度と上がらず損を出してしまうこともあるということを認識しておくべきなのです。

Buy The Dipの投資戦略を取るうえで重要なこと

‍暗号通貨には裏付け資産がないため、適切な価格という概念が存在しません。

人々が欲しいと思えば青天井に上がり、不要だと思えばどこまででも下がる性質を持ち合わせています。

例え急落したからと言って、Buy The Dipをするべきではないのです。

そのBuy The Dipするべき投資対象が本当に自分が価値があると思える対象なのか?

また投資する金額は適切か?たとえ反発しなくても生活に支障が出るような金額を投資していないのか?

もっと安くなるかもしれない、さらに下で買うことは可能なのか等々、しっかりと見極めてから投資する事が重要なのです。

特にインフルエンサーなどにBuy The Dipと言われてしまうと冷静な判断を欠いてしまう状況に陥る事が良くあります。

暗号通貨界隈ではFOMOという概念もあり、もし反発したら二度と同じ価格帯で購入できなくなるという不安感に陥る事も多々あり、尚更です。

しかし、何がなんでもBuy The Dipするのではなく、他の投資と同じようにを冷静な判断のもと行う事が重要なのです。

また、例え反発して価格が上昇したとしても、売り時もしっかり考えておくべきとも言えるでしょう。

短期的に大きく価格が反発し、急上昇したとしても長期的な視点では成長しない投資対象も多くあります。トレンドに乗ったようなコインは特にこの傾向が強いです。

こういったコインは利益が乗ったらさっさと売ってしまうのも一つの戦略なのです。

Buy The Dipとは結局どういうことなのか?

暗号通貨が急落した際に購入するこのBuy The Dipの投資戦略とは、結局のところ暗号通貨の未来に投資する事と同義に近いです。

決してギャンブルをしているわけではないのです。

自分が将来性があると思っているコインに対してBuy The Dipをすることがあるべき姿であり、投機的で極めてリスクの高いコインに対しては行うべきではないのです。

自分が将来性があると感じているコインなのに、一時的に異常な急落をした場合、Buy The Dipをするのがリスクを減らした良いBuy The Dip投資戦略と言えるでしょう。

ネットで見かけたBuy The Dip

最後にネットで見かけたBuy The Dipの使い方を紹介します。

市場の参加者の感情をインデックス化したFear & Greed Indexのクリプト版と合わせてBuy The Dipが使われることもパターンとしては多いです。

底だと感じた場合にも利用されていますが、残念ながら結果的には底ではなかったという事も多々発生しています。

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