仮想通貨のレンディングサービスを提供しているLednについて記載します。
Lednは、あまり有名な会社ではありません。
しかし、全世界でサービスを展開しており、2020年の第3四半期以降、預かり資産を4,000%以上増やし、17億ドル(約2,000億円)を超えている現在注目のレンディング会社なのです。
また2021年には7,000万ドル(約80億円)ほどの大型の資金調達を成功しています。
筆者自身も資産分散管理の観点からLednのレンディングサービスを利用しています。
実際に筆者がLednを使用している観点からメリット、デメリットなどを記載していきたいと思います。
Lednの概要
Lednは2018年にAdam ReedsとMauricio Di Bartolomeoの二人によって設立されました。
カナダのオンタリオ州トロントを拠点としてたレンディング会社です。
Lednは、創業後にまずシードラウンドを通じて390万ドルを調達しました。
そして、2021年12月にはビットコインを担保にした新しい住宅ローンサービスを開始するとして、シリーズBラウンドで7000万ドルもの大型資金調達を成功させています。
「Ledn立ち上げから過去3年間、私たちはLednの顧客がSavingやクレジット商品を通じて、暗号資産の利用を拡大できるようにするシンプルで安全なプラットフォームの構築に注力してきました」とインタビューで語っています。
Lednは今までは個人や機関投資家向けの仮想通貨レンディングサービスに特化してきました。
2021年の大型資金調達を完了し、これからは住宅ローン分野にも進出しようとしている今注目されている企業です。
Lednのサービス
Lednでは主に4つのサービスを提供しています。
- Ledn SAVE(利息サービス)
- Ledn BORROW(借り入れサービス)
- Ledn Trade(トレードサービス)
- Ledn B2X(レバレッジトレードサービス)
Ledn SAVE(利息サービス)
Lednでは、仮想通貨を預けれるだけで金利を得られるレンディングサービスを提供しています。
Lednは顧客から預かった資産を個人投資家や機関投資家へ貸し出すことによって、その利息差で収益を出すビジネスモデルを取っています。
個人投資家は、Lednの利息口座に仮想通貨を預けるだけでビットコインで年間最大6.25%、USDCで年間最大9.5%を獲得できるサービスを提供しています。
利用できるコインはビットコインとUSDCの2通貨のみです。
他のレンディングサービスと比較しても、これはレンディングサービス業界で最も少ない数のみを対応している形になっています。
イーサリアムですら対応していません。
日本のHashhubレンディングは4通貨のみ対応しているのですが、それよりも少ないのです。おそらく業界で最も少ないでしょう。
なお、預けた資産の出金はいつでも可能です。
ただし、USDCの引き出しごとに10ドルの手数料がかかります。
他は所定回数は無料などのサービスを提供しており、他のレンディング会社と比較しても割高だとは言えます。
出金に手数料が取られることは、デメリットとして認識しておくべきでしょう。
また、市場の動向に合わせて、金利は月ベースで更新されます。
BlockFiなどの大手レンディング会社が金利を変動させた場合、Lednも大手に倣って変動しているケースが多いです。
金利をよく変動する会社は、BlockFi、Nexoなどが有名です。日本のHashhubも良く変動しています。
私としては、市場の動向に合わせて金利が変動されることは好感を持っています。
他のレンディング会社では金利を一切変更せず、高金利を提供している会社があり、そういった会社と比較してより信頼できる点と言えるでしょう。
Ledn BORROW(借り入れサービス)
Lednでは、BTCを担保にUSDの法定通貨もしくはUSDCのステーブルコインを借り入れるローンサービスを提供しています。
このサービスを使えば、顧客の信用調査を行うことなく、BTCのみ預け入れてローンを組むことが出来ます。
担保にできる仮想通貨はビットコインのみです。
また、借り入れられる通貨は、USDかUSDCの2つのみです。
担保及びローン出来る通貨の数も業界で最も少ないです。
ローン期間は12ヶ月で、細かい期間設定はできません。
ただし、元のローン期間が終了したときにローンの延長を申請することができます。
最大融資対価値(LTV)比率は50%で、利率は年間11.5%の単利です。
支払いスケジュールが決まっていないため、いつでもローンの返済が可能です。
預けていた資産価値が暴落し、必要なLTVを維持できなくなった場合、Lednはビットコインの一部を販売してLTVをインラインに戻す可能性があります。
これは他のレンディングサービス会社のサービスと同じですが、ローンサービスを利用する場合、LTVを維持する事を認識しておく必要があります。
なお、ローンの一部を(ビットコインまたはドルで)返済することもできます。
Ledn TRADE(トレードサービス)
Lednではプラットフォーム上で仮想通貨の交換サービスも提供しています。
スワップできる通貨はBTCとUSDCのみです。
これも業界で最も少ないトレードペアと言えるでしょう。
トレードFeeは無料を売りにしています。
私は、レンディング会社でトレードをしたことがないですが、レンディング会社でのトレードは高額な隠れた販売手数料が発生しているのが実情です。
BinanceやFTCなどの市場でトレードするよりも非常に不利な価格で決済される可能性が高いです。
基本的にレンディングサービス会社上での、トレードは推奨できません。トレードしたくなったら、取引所に送金をしてトレードするようにしましょう。
Ledn B2X(レバレッジサービス)
Lednでは他のレンディング会社にはあまりないサービスとしてレバレッジサービスを提供しています。
対応している仮想通貨はビットコインのみですが、預けたビットコインの2倍までレバレッジをかけて運用が出来ます。
1BTCを預けた場合、Lednも同等の数量を購入し顧客に貸し付けます。
期間は、最大12か月間でLednの基本的なローン商品と同様に、B2Xローンは12か月の期間中いつでも返済できます。
このB2X製品は、ビットコインが上昇した場合にのみにメリットがあると思います。
LednのB2Xとは、2倍で買いのレバレッジを入れるのと同意です。
ショートではないので、下落相場では必要なLTVを維持するためのマージンコールが起こり、大きな損失を受ける可能性があります。
レバレッジを使用したサービスは人によっては良さそうですが、金利を受けるサービスやローンサービスと比較してリスクが高いことを認識しておきましょう。
なお、このレバレッジを効かせたサービスは、厳密には競合のYouhodlerも提供しています。
Youhodlerはショートにも対応しており、より柔軟なレバレッジ運用が可能です。
Lednのセキュリティ
LednのカストディサービスはBitGoです。
業界最大手のカストディサービスを使用しています。
ここは安心な点と言えるでしょう。
ただし、保険サービスについては具体的な記載は見当たりませんでした。
保険に入っているのかは定かではありません。
これは他のレンディング会社にも言えますが、保険に入っていようが、入っていなかろうが、ハッキングや何かしらの損害が発生した場合、預けていた資金をすべて失うリスクがあります。
たとえ、保険に入っていても、どのユーザが対象になるのか、預けられている資産すべてが保険でカバーされているのかなどは不明という事が多いのです。
よって、保険に入っているかどうかはそこまで重要ではないとも言えます。
また、Lednは、カナダを拠点とする企業であるため、口座に預け入れられた現金であっても、FDICによる保護はなく、カナダ預金保険機構(CDIC)による保護もありません。
もちろん保険に入っている方が安心ではあるのですが、入っていても適用されないという事は大いにあり得ることということを認識しておくことが重要なのです。
Lednのモバイルアプリ
LednではiOSとAndroidのモバイルアプリが用意されています。
お世辞にも使いやすいアプリではないですが、シンプルで資産を確認するだけであれば、何の問題もありません。
Ledn自体が多くの機能を提供しているわけでもないので、シンプルに確認できるだけ良しと筆者は考えています。
Lednのカスタマーサポート
Lednでは、カスタマーサポートも用意されています。
メールベースでのカスタマーサポートで、チャット機能はなしです。
私も一度問い合わせしたことがありますが、遅延なく迅速に返答が来ました。
Nexoなどの大手と比べて顧客は多くないため、カスタマーサポートには連絡が取りやすいと思います。
Lednの長所と短所
最後にLednの長所と短所をまとめておきます。
長所 | 短所 |
金利は業界標準で、都度アップデートされる | 利息を得られる通貨はBTCとUSDCのみ |
Ledn B2Xでレバレッジを効かせた運用が可能 | ローンを担保にできるのはBTCのみ |
7000万ドルの大型調達を実施しており、これからビジネス拡大が期待される | 借り入れできるのは、USDかUSDCのみ |
2021年12月に7000万ドル(約80億円)もの 大型調達を実施しているので資金力が豊富になり、より信頼性を増した会社と言えるかもしれません。
私からすると、Lednは可もなく、不可もなくと言ったサービスを提供している会社です。
私は、資産分散の管理の観点から資金を置いて、運用しています。
デメリットとしては、やはり他のレンディング会社と比較すると、対尾言うするコインが少なく、APYは低いまたは普通です。
競合のレンディング会社であるVauldとCoinloanなどと比べると対応コインも金利は見劣りしてしまいます。
Lednをおすすめ出来るユーザ
機能が限られており、使用できるコインも少ない為、1社目のレンディング会社としては推奨できないと言えるでしょう。
既にBlockFiやCrypto.comなど大手を使用している投資家に分散投資をする意味で、Ledn上での資産運用はおススメ出来ると言えるではないでしょうか。