タイ証券取引所(SET)に上場しているタイ企業のSCB Siam Commercial Bankについて解説します。
筆者自身もタイの3つの銀行(カシコン銀行、バンコク銀行、SCB)、証券会社の口座(Krungthai XSpring Securities)を開設し、直接タイバーツでタイ株にも投資しており、この記事は筆者自身が投資する上で知っておきたい情報をまとめたものになります。
新興国株は、日本やアメリカなどの先進国と比べて経済成長率が高い国が多いと特徴があり、今後大きな利益を生んでくれると期待しています。
タイは他のASEAN諸国と比べて人口ボーナスは今後期待できず、GDP成長率も他の新興国ほど期待できないかもしれません。
しかし、ASEANのちょうど真ん中に位置しているという地理的利点、また他国が実施していない政策を積極的に採用するなど今後も他ASEAN諸国の成長と共に成長していくと考えています。
この記事が今後期待される投資先としての参考となれば幸いです。
SCB Siam Commercial Bank概要
SCBは、タイの最大の銀行であるシアム・コマーシャル・バンク(SCB)です。
1907年に設立され、タイの主要な金融機関として、国内外のさまざまな金融サービスを提供しています。タイで現在までに営業する最古の銀行とも言えます。
SCBは、銀行、保険、資産管理、証券、およびその他のサービスを提供しています。
また、タイ国内外のさまざまな金融サービスを提供するために、国内外のさまざまな金融機関と協力しています。
創業年と創業者
創業年: 1907年
創業者: シェーバー・サイム・ラーサイ
ホームページのURL
歴史について
SCB (Siam Commercial Bank)は1904年にタイ王国で設立された銀行です。
1906年にはタイ国内最初の銀行として、タイ王国政府から特別登記を受けました。
SCBはタイ国内で最も古い銀行であり、現在ではタイ国内で最大の銀行となっています。
SCBは、国内外のお客様に対して、銀行取引、信託取引、資産管理、保険、投資及び他の金融サービスを提供しています。
市場シェア
SCBはタイの3番目に大きな銀行で、タイの銀行市場全体の15%以上の市場シェアを占めています。
競合会社との競合分野について
SCB Siam Commercial Bankの競合会社として、タイ国内の他の銀行(Krung Thai Bank、Bangkok Bankなど)、その他のファイナンシャルサービスプロバイダー(PayPal、LINE Payなど)があります。
競合分野としては、銀行業務、決済サービス、資産管理、保険、その他のファイナンシャルサービスなどがあります。
競合との優位性
SCB Siam Commercial Bankは、他のバンクよりも低い手数料を提供し、顧客により多くの利益を提供しています。
のちほど紹介しますが、配当率や配当性向を見る限り、SCBは株主に還元する意欲も強いと言えます。
また近年SCBはデジタルプラットフォーム、仮想通貨、メタバースなど新しい分野への投資を活発に行っていることも他銀行にない優位性と言えるでしょう。
タイ最大の仮想通貨取引所であるBitkubを買収しようとしたことも大きな話題となりました。
結果的に買収には至っていませんが、SCBの子会社である証券会社のInnovestXがSECタイランドより仮想通貨ライセンスを取得し、取引所ビジネスも行っています。
また、VCファンドとしてSCB 10Xという会社が積極的な仮想通貨プロジェクトへのVC投資を行っていることでも知られています。
SCB 10XはSCB本体と異なり、若い優秀なタイ人で構成された会社で投資している先を見る限り、個人的に投資センスが非常によいと感じています。
あまり大きな話題になっていませんが、タイでトップ3に入る銀行がこのような仮想通貨への積極的投資を行っていることは非常に好感を持っています。
現在の株価
ティッカーシンボル
SCB
財務状況
評価損益率
PER,PSR,PCFR,PBR全てにおいて、他銀行と比べて最も高い数値を出しています。
2019年から数値は全て良い方向へ向かっています。
株価からの評価損益率を見る限りでは、最も良い銀行と言えるでしょう。
時価総額 | PER | PSR | PCFR | PBR | |
2021 | – | 12.13 | 2.43 | 13.82 | 0.98 |
2020 | – | 10.93 | 1.65 | 7.16 | 0.72 |
2019 | – | 10.26 | 1.86 | 2.86 | 1.04 |
収益率
収益率は他銀行と比べて2020年までは平均的ですが、2021年は他のどの銀行よりも数字が良くなっています。
これが2022年以降も続いていくのが注視が必要ですが、現在は収益率を見る限り非常に良い状況と言えるかもしれません。
ROA | ROE | 営業利益率 | 当期純利益率 | |
2021 | 1.08 | 8.35 | 24.84 | 20.02 |
2020 | 0.87 | 6.71 | 18.79 | 15.10 |
2019 | 1.31 | 10.36 | 15.87 | 18.18 |
配当状況
配当利回り、配当性向ともに2021年は最も高い指標となっています。
配当性向に関しては年度によってはカシコン銀行よりも1.5倍から2倍ほど高い数値を出しており、積極的に配当を出そうとしていることが伺えるかと思います。
一株当たり配当金 | 配当利回り | 配当性向 | |
2021 | 4.06 | 3.20 | 38.77 |
2020 | 2.30 | 2.63 | 28.72 |
2019 | 5.50 | 4.51 | 46.23 |
投資先として魅力的かどうか
直近3年の数値、特に2021年は統計データを他銀行と比較し、最も良い数字を出しています。
近年は仮想通貨への積極的な投資を行っていることから今後大きな利益を生み出すことになるかもしれません。その逆もしかりで、失敗した場合は他銀行と比べて大きな損失を出す可能性もあります。
SCBの仮想通貨への投資が今後どうなるか注視が必要かもしれません。
筆者は個人的に仮想通貨への投資を積極的に行っている観点、またタイの王様が筆頭株主になっているという点から長期的目線でSCBへの株式投資も行っており、長期的に配当をを貰う戦略を立てています。
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