資産運用や投資をする上で重要な考え方があります。
それが、DYORという考え方です。
この言葉は、よくTwitterなどで目にします。
これは、Do Your Own Researchの頭文字をとった略語で構成された言葉です。
自分が何かに投資する前に自分で調べてから投資するように促す意味が込められています。
DYORができた経緯
2017年のICO発行が乱立し、詐欺的なプロジェクトも多かったところから、投資した通貨に対して、多くの被害者が出ました。
このような被害を出さないためにも、自分で調べてから投資するようにしたほうが良いということで仮想通貨界隈で2018年以降から使われ始めた経緯があります。
仮想通貨界隈が発祥の言葉、株クラスタではあまり見かけません。
DYORという言葉の通り、事前に調査すれば、あからさまな詐欺被害に合うことは少なくはなります。
DYORに込められた2つの意味
DYORには、2つの意味が込められていると筆者は考えています。
使われる場合のシチュエーションによって、意味が若干異なるのです。
本来の意味でのDYOR
本来の意味でのDYORは、自分で調査しろという意味です。
人それぞれ考え方は異なるので、誰かが調査した内容でも鵜呑みにせず、自分で調べる必要があるという意味があります。
発言者が自分を守るために使う
もう一つのDYORの意味は、発言者が自分を守るために使われています。
DYORは発言した人が自分の投資している仮想通貨に対して何かしらの発言をした場合にDYORのハッシュタグをつけられてツイートされることがよくあります。
DYORと発言することで、自分はこれを推しているけど、自分で調べてね。もしプロジェクトが失敗しても自分には責任がないからねという意味合いも込められて使われることが多いのが実情です。
おそらく、本来の意味よりも自分を守るために使われていることの方が多いと思っています。
プロジェクトが失敗したりした場合、多くの投資家から非難を浴びせられます。
そのような状況に陥った時にそのプロジェクトを推していて、ツイートを繰り返していた人が自分に非がないという意味合いが込められているのです。
いわば保険のようなもので、使われているのです。
また、DYORはNFAという言葉とともに使われることも多くあります。
NFAは、Not Financial Adviceの略語で,”投資助言ではない”という意味です。
限りなく投資助言に近い言葉をツイートしているにもかかわらず、NFAを併用してツイートしているケースが非常に多いのです。
これも、保険の意味で使われているのです。
DYORを完全に実行するのは難しい
私個人的には仮想通貨のプロジェクトやブロックチェーンをDYORすることは難しいと思っています。
なぜなら、ブロックチェーンの技術の進歩は早く、幅広く、そして深いため、ブロックチェーンを開発しているエンジニアでさえ全てを理解することは容易ではないからです。
ブロックチェーンエンジニアでもない一般の投資家が全てを精査することはほぼ不可能なのです。
DYORをしすぎて、時間を取られすぎてしまい、結局投資できずに機会損失に合ってしまうことも大いにあり得ます、
DYORと言われたからと言って、完璧に精査することは難しいとも思っておいた方が身のためだと思います。
完璧なDYORは難しいが、最低限のDYORは必要
もちろん、資産運用するうえで、最低限のDYORは必要です。
ホワイトペーパーがない、あからさまにポンジスキームなど最低限のDYORで調査できる場合も多いのです。
投資する際は、必ず最低限のDYORをするように心がけましょう。