1,000万人のユーザーと3,000人の従業員がいるとされている業界最大手のCrypto.comのレンディングサービスについて記載します。
Crypto.comはサービスが素晴らしい会社です。
筆者もCrypto.comには多くの資金を置いており、実際にユーザとして使用していて、Crypto.comのサービスは最高レベルだと思っています。
特に優れていると感じる点が、数多くのネットワーク(マルチネットワーク)に対応している点です。
Crypto.comでは、USDC送金だけでもERC20,Polygon,BSC,Arbitrium,AVAXC,Solana,Cronosなどのマルチチェーンに対応しています。
イーサリアムのLayer2ソリューションであるArbitriumにも対応した際は世界の主要取引所よりも対応が早かったです。
より安い送金ネットワークをユーザが選ぶことが出来ることは、ユーザにとって本当に喜ばしいことです。
今回は、私がユーザとしてCrypto.comを実際に使用している観点からメリット、デメリットを記載していきたいと思います。
Crypto.comの概要
Crypto.comは、2016年に設立されたクリプト企業です。
もともとはCryptoを使用したデビットカードをビジネス主幹としていました。
そして、2017年にICOを実施、Monacoとしてビジネスをスタートしました。
現在はCrypto.comにサービス名を変更しています。
私はMonacoがICOした当時からこの企業の動向を追っていました。
その当時は、TenXやBankeraなどの数社あるクリプトクレジットカードサービス会社の一つとして知られる程度でした。
ICO後、決済事業だけでなくレンディングサービスを開始し、現在ではレンディングサービスだけでなく、Cryptoを使ったクレジットカードや取引所など数多くのサービスをワンストップショップとして幅広くビジネス展開しています。
仮想通貨のカード事業だけでなく、多角的にビジネスを拡大したことが功を奏して、今では仮想通貨業界を代表する企業にまで成長しました。
ドメインで使用されているcrypto.comは、暗号学の研究者であり教授であるMattBlazeによって1993年に登録されましたドメインでした。
サービス名でもあるCrypto.comのこのドメインは、500万から1000万米ドルの間で買い取り、MonacoからCrypto.comへサービス名を変更するに至りました。
Crypto.comは、すべての暗号取引のニーズに対応するワンストップショップとして際立っており、あらゆるレベルの投資家に最適だと言えるサービスを提供しています。
Crypto.comのビジネス
もともとモナコテクノロジーと呼ばれていたCrypto.comの設立使命は、仮想通貨をより使いやすくする、身近にすることでした。
Crypto.comは、主に仮想通貨を使ったカード決済サービスとして始まったものが、今では数多くのサービスを提供し、業界でも屈指の人気のある暗号通貨ハブとなっています。
Crypto.comは、PCでも携帯でも使用でき、デスクトップアプリとモバイルアプリの両方でサービスを提供しています。
口座開設をして、KYCを完了したら、アカウントウォレットまたはDeFiウォレットの2つで取引可能になります。
Crypto.comの取引所を使用して仮想通貨をトレードをする場合は、Crypto.comに少額のメーカー/テイカーの手数料を支払うことになります。
また、DeFiウォレットでは、DEXを介してトレードを行う事も可能です。
Crypto.comでは、数多くのサービスを提供することによって、多くのサービスをCrypto.com上で完了でき、よりアクセスしやすくすることに成功しています。
Crypto.comで利用できる仮想通貨
Crypto.comでは、100以上の仮想通貨を上場しており、レンディングサービス会社としては、かなり多くのコインを取り扱っています。
SHIBなど人気が出たトークンはすぐに対応し、ユーザのニーズにも迅速に対応しているのです。
ほぼ有名どころのコインは利用可能です。
Crypto.comの金利サービス
Crypto.comでは、金利サービスを提供しています。
筆者もこちらのサービスを使用し、金利を稼いでいます。
金利は下記3つの期間から設定することが出来て、ロック期間が高いほどAPYが高くなります。
- ロックなし
- 1か月ロック
- 3か月ロック
金利はこちらから計算できます。
筆者はステーブルコインを3か月ロックし、APY10%で運用しています。
金利は新興のYouhodlerやCoinloanよりも低いです。ステーブルコインだと2%から4%くらい低い感じです。
Youhodlerを紹介した記事はこちら。
Coinloanを紹介した記事はこちら。
業界大手のBlockFiやNexoと似たような金利率となっています。
Crypto.comの金利サービスで他レンディング会社と比較して優れている点は下記2点だと思います。
- 数多くのネットワークに対応
- 法定通貨とステーブルコインの種類も豊富
数多くの送金ネットワークに対応
冒頭で説明しましたが、Crypto.comの凄いところは数多くのブロックチェーンに対応している事です。
USDC送金だけでもERC20,Polygon,BSC,Arbitrium,AVAXC,Solana,Cronosなどのマルチチェーンに対応しているのです。
他通貨でも多くのブロックチェーンに対応している為、送金が非常に安く済みます。
対応しているブロックチェーンで言えば、業界で一番です。
ユーザにとってETHの送金手数料(ガス代)は馬鹿にならないものです。
数多くの送金チャネルに対応し、ユーザに選択権を与えていることは非常に喜ばしいことなのです。
イーサだけしか対応しないレンディング会社と比較して、顧客満足度は段違いだと言えるでしょう。安い送金料であれば、送金も苦になりません。
取引所や自分のウォレットへの送金もガス代を気にせず何度も行えます。
頻繁にポートフォリオ変更や資産を移動させることが可能なのです。
また、マルチチェーンに対応していることは、Crypto.comの技術力が高い、および財務的にシステム拡張の余裕がある為、財務的に余裕がある事の裏付けでもあると思います。
法定通貨とステーブルコインの種類も豊富
他の取引所にはないトークンとしてTRUEが発行するステーブルコインをCrypto.comでは取り扱っています。
TAUD(True AUD)、TCAD(True CAD)、TGBP(True GBP)などのステーブルコインでも預け入れて金利を受け取ることが出来ます。
これらのステーブルコインは他のレンディングサービス会社では取り扱っていないため、Crypto.comの特徴と言えるでしょう。
また、Crypto.comで獲得できる最大の利息は14%ですが、この最大の利率を得るためには独自トークンであるCROトークンを保有する必要があります。
CROトークンのステーク要件は下記2つです。
次の要件を満たすことによって、金利を上げることができます。
- 4,000CRO以上を預金 通常よりも約2%APY上昇
- 400,000CRO以上を預金 通常よりも約4%APY上昇
金利サービスのリスク
なお、Crypto.comに限らずすべてのレンディングサービス会社に言えることですが、金利サービスにはリスクがあります。
レンディングサービス会社を使用したサービスには、金融機関と同じセーフガードがありません。
仮想通貨投資をしていれば大体の人は理解しているかと思いますが、通常の普通預金口座とは異なり、FDICや日本の預金口座保護に加入することはできないのです。
よって、預け入れた仮想通貨がハッキングや何かしらのトラブルで全額なくなった場合も保証はされません。
また、CROトークンはビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨よりもボラティリティが高いです。
CROトークンを使用することによって、Crypto.comの金利を上げられるサービスをユーティリティトークンとして提供しているのは素晴らしいとは思います。
私個人としてはCROトークンはBNBやFTTなどバイナンスやFTXクラスで期待できるトークンだとは思っています。
ただし、金利が上がるからといって、かなりの量のCROを購入し、Crypto.comに預入れ、もしCROが暴落した場合、預けた資産が目減りし、稼いだ利息以上の損失を生む可能性があります。
Crypto.com特有のリスクではなく、仮想通貨投資をやっていれば当たり前のことではありますが、リスクとして記載させて頂きます。
CROトークン
Crypto.comの独自トークンであるCROトークンについて記載します。
CROトークンは、Crypto.comの決済、取引、金融サービスソリューションを利用するユーザーにユーティリティを提供することに焦点をあてています。
要するにCROはCrypto.comのすべてのサービスで特典を利用できるユーティリティコインなのです。
前述したとおり、CRO保有者は、Crypto.comチェーンにコインをステークすることで、バリデータとして機能し、ネットワーク上の取引を処理するための手数料を稼ぐことができます。
さらに、CROコインは、Crypto.comチェーン上の取引手数料決済のために使用することもできます。
ユーザーは、Crypto.com Pay決済アプリ内でCROコインを使用して支払いを行うことで最大20%、ギフトカードを購入して他のユーザーにP2P転送を行うことで、最大10%のキャッシュバックを得ることができます。
さらに、ユーザーはCrypto.com取引所アプリまたはCrypto.comのVisaカードのどちらかにコインをステークすることで、最大10〜14%の年間利息を得ることができます。
総じて、CROはCrypto.comの目指す仮想通貨の世界規模の普及に貢献しているトークンと言えるでしょう。。
Crypto.comは、ユーザーが仮想通貨を利用して、お金、データ、自身のアイデンティティの管理を強化することを可能にする新しいユースケースを見つけて開発することに継続的に取り組んでいるのです。
そして、今では、業界でも屈指のリーディングカンパニーに成長しています。
Crypto.com Coin [CRO] Coinの供給量
CROの総供給額は1000億CROです。
Crypto.comは、プレセール、パブリックセール、または新規仮想通貨公開を行なっていません。
代わりに、コインは二次分配でのみ配布されています。
CROの総供給量は、5つの異なる目的別に割り当てられます。
- 30%は二次分配、及びローンチインセンティブとして2018年11月14日から5年間に渡り、毎日まとまった額がリリースされています。
- 20%は資本準備金として2022年11月7日まで凍結されています。
- 20%はネットワーク長期インセンティブとして2022年11月7日まで凍結されています。
- 20%はエコシステム補助金としてCrypto.comチェーンメインネットのローンチまで凍結されています。
- 10%はコミュニティ開発用に割り当てられています。
CROトークンのブロックチェーン
CROは、ERC20規格です。
イーサリアムブロックチェーンで運営されています。
CROが取引できる取引所
CROコインは複数の仮想通貨取引所で利用可能です。
主な取引所は次の通りです。
- Bittrex
- OKex
- Huobi Global
- Upbit
取引所機能
Crypto.comでは法定通貨を暗号通貨に簡単に交換できます。
USD、GBP、EURを含む20以上の法定通貨にも対応しています。
また、高額な手数料を支払う必要はありませんが、居住国によっては、登録すると特定の法定通貨のみトレード出来るという制限がされる場合があります。
規制が厳しいアメリカなどは制限があります。
新たな規制や制限などについては随時アップデートされますので、Crypto.comのホームぺージより確認ください。
https://help.crypto.com/en/articles/1341655-which-are-the-available-markets
キャッシュバックカード
Crypto.comでは5枚のプリペイドVisaカードを提供しています。
Visaを利用できる場所ならどこでも使用できますが、利用する前にCrypto.comで暗号通貨もしくは法定通貨を補充する必要があります。
他の製品と同様に、より多くのCROトークンを保有している人ほど、より良いメリットが得られます。
最高級のオブシディアンカードは8%のキャッシュバック(より正確にはクリプトバック)を獲得し、多くの追加ボーナスが付属しています。
ただし、このカードの資格を得るには、5,000,000 CROを預ける必要があります。
CROトークンのボラティリティに依存しますが、50万CROは日本円で約1億円ほどします。
富裕層、VIP向けサービスと言えるでしょう。
50万CROがない場合、それよりも下のクラスである5,000 CROの預け金で、Ruby Steelカードが利用できます。
こちらのクラスでは、2%のキャッシュバックを受け取ることができます。
ノーステークの場合(CROがない)、ミッドナイトブルーカードがあります。
こちらは、すべての購入に対して1%のキャッシュバックをしています。
年会費は無料で、カードに応じて毎月一定額の無料ATM引き出しと海外取引が受けられます。
ギフトカードと電話のチャージ
Crypto.comではギフトカードも提供しています。
こちらを使用することでも、キャッシュバックを獲得できます。
現在の米国のギフトカードブランドには、Airbnb、Barnes&Noble、Macy’sなどがあります。
キャッシュバックの金額は、預けたCROの保有量と、それがどのタイプの会社であるかによって異なります。
Crypto.comのセキュリティ
レンディング会社を使う上でセキュリティレベルを確認することは、非常に重要です。
Crypto.comは業界最高レベルの保険サービスおよびセキュリティを用意しています。
多要素認証やフィッシング対策など、セキュリティ機能を備えています。
また、パスワード、生体認証、電子メール、電話、および認証システムの検証を使用することもできます。
システムは主要なセキュリティ会社によって監査を受けており、ストレステストも実施されてます。
また、バグ報奨金プログラムであるHackerOneを使用してバグハンターも常に募集しています。
ハッキングなどに対して7億5000万ドルの保険に加入しているほか、Ledgerと提携してユーザーの暗号通貨をコールドウォレットで保管しています。
また、保険については、米ドルで残高を維持している場合、通常の銀行と同じようにFDICで保険がかけられているようです。
この保険サービスは、他の会社にはない点だと言えるでしょう。
Crypto.comは数多くのマルチチェーンに対応しており、技術レベルはバイナンスなどと比較しても劣らないと考えています。セキュリティレベルも高いのです。
Crypto.comのカスタマーサポート
結論から申し上げますと、Crypto.comのカスタマーサポートはかなり優秀だと思います。
私も問い合わせをしたことがあるのですが、Crypto.comのカスタマーサポートのレスポンスはかなり早かったです。
私が問い合わせしたのは、トラブルが起こった時で数多くのユーザがツイッターなどでも問題を取り上げている時でした。
1000万人のユーザがいるにもかかわらず、レスポンスは1日かからずに来ました。
BlockFiやNexoなどの競合大手では連絡すら来ないということもあったなか、Crypto.comはカスタマーサポートに力を入れて差別化しているのではないかと感じさせてくれました。
例えすぐに解決できない問題でも、レスポンスが早く状況を伝えてくれるだけで安心できるものです。
私が問い合わせした時も、すぐに解決はできない問題でしたが、レスポンスは非常に早く、状況を伝えてくれました。
また、Crypto.comでは障害アラートメールの機能が実装されており、何か問題が生じている場合は、Alert設定しておくことで問題を迅速に知ることが出来ます。
この自社の障害に対するAlert機能も他の会社にはないきめ細かいサービスです。
Crypto.comのカスタマーサポートは私としてはかなり良いと考えています。
Crypto.comのマーケティング
Crypto.comの強みとして、特徴的なことに強力なマーケティング力があります。
仮想通貨を一般社会に普及させるという企業理念にあるように、多くの広告事業に手を出していて、仮想通貨を知らないような人たちへアプローチをしています。
有名な広告事業としていくつか紹介したいと思います。
Crypto.comではヨーロッパの強豪として知られ、あのメッシが在籍するパリ・サンジェルマンFCとパートナー契約をしています。
そして、スポンサー料金の大部分がCROで支払われる予定とのことです。
また、アメリカのステイプルズ・センターが Crypto.com アリーナに名称変更することでもニュースになりました。
アリーナの名称取得のために7億ドル(約800億円)を支払っているようで、20年間使用可能となるようです。
参照 https://en.wikipedia.org/wiki/Crypto.com_Arena
また、マット・デイモンがCMをしたことでも話題になりました。
マーケティング力が凄いことは重要です。
CROだけでなく、結果的に仮想通貨全体の価値を高めることが出来ます。
Crypto.comがマーケティングを大々的に行い、会社が大きくなることは結果的に暗号通貨業界全体に良い効果をもたらすと考えています。
Crypto.comのモバイルアプリ
Crypto.comではモバイルアプリが使用できます。
iOS,Androidどちらでも利用可能です。
すべての機能が実装されています。
このアプリですが、多機能がゆえに少し使いづらいです。
私は既に一年近く使用し、使い慣れたため問題ないのですが、初めてレンディング会社を使用した場合使い方に多少戸惑るかもしれません。
他レンディング会社は基本、レンディングとローンしか提供していないため、非常にシンプルで使いやすいのですが、Crypto.comは多くの機能がある為、いったいどれがどの機能なのか、どこに資金を移動すればよいかなどは分かりづらいのです。
大したことはない点ですが、モバイルアプリは他サービスと比較して使いづらいということは短所として挙げておきたいと思います。
Crypco.comの長所と短所
最後にCrypto.comの長所と短所をまとめておきます。
長所 | 短所 |
数多くのチェーンに対応している為、最安及び自分が使用しているチェーンから送金可能 | アプリの操作が少し難しい |
キャッシュバック特典付きのVisaカード | |
業界一のため、信頼性が高い | |
強力なマーケティング力で今後も伸びる可能性あり | |
カスタマーサポートのレスポンスが早い |
世界レベルのシステム、ウォレットを使用している点からも私は信頼できるレンディングサービス会社だと考えています。
なお、業界屈指の高金利を提供しているYouhodlerについては下記を参照ください。
タイ、インドネシア、シンガポール、オーストラリアに居住している人におすすめの取引所はZipmexです。Crypto.comと同じような金利率で利息を稼ぐことが出来ます。
Crypto.comをお薦めできるユーザ
- CROトークンを多く保持しているユーザ、または、CROトークンを多く買いVIPサービスを享受することが出来る富裕層やお金持ち
- 保険サービス、技術、セキュリティが優れている為、初めてレンディングサービスを使用するユーザにもお勧めできると言えます。
レンディングサービスは基本分散投資で色々なレンディング会社に預けることが基本です。
色々な会社のサービスを利用して分散させましょう。
そして、Crypto.comは業界最大手のリーディングカンパニーなので初めて利用するユーザにもお勧めできる会社だと思います。