BlockFi,Crypto.comと並ぶ仮想通貨レンディングサービス業界大手のNexoについて記載します。
Nexoは、私が一番初めに使い始めたレンディング会社の一つです。
大手らしくニュースなどでも名前を目にすることが多く、業界のリーディングカンパニーであります。
BlockFi,Crypto.comについで業界2番手であり、レンディング業界でも有名なので、使用している日本人も多いと思います。
大手はやはり安心感があり、私もずっと使い続けています。
レンディング業界の大手Nexoについて調べた内容、実際に自分が使っていて感じる点、メリット・デメリットなどを記載していきたいと思います
Nexoの概要
NEXOは2017年にAntoni Trenchev、Georgi Shulev、およびKosta Kantchevによって設立されました。
ヨーロッパの金融機関で長年の経験を持つ3人のブルガリア人によって創設されたのです。
同社はイギリスのロンドンで法人登録されています。
Nexoのルーツは、ブルガリアのFintech金融ベンチャーであるCredissimoと関係しています。
公式発表は出ていないのですが、Co-Founderの一人であるKosta Kantchevがこの会社の理事メンバーを務めていることからも関係が深いと推測しています。
Nexoは、2018年にはICOで5,250万ドルを調達し、現在300万人以上のユーザーがおり、120億ドルの運用資産を誇っています。
Nexoは、レンディング市場で最大規模のプラットフォームの1つとして、業界を代表するリーディングカンパニーです。
Nexoのサービス
Nexoのサービスは主に下記4つです。
- Nexo Earn
- Nexo Borrow
- Nexo Exchange
- Nexo Card
1.Nexo Earn(利息サービス)
Nexoでは、BTC、ETH、LTC、BCH、EOS、XLM、TRX、XRPなど時価総額が高い主要な仮想通貨に6%から12%のAPYで金利サービスを提供しています。
利息は毎日支払われます。
BlockFiは1か月毎、Crypto.comは1週間毎で金利が支払われるため、これら大手2社と比較して、毎日金利が支払われるのはNexoのメリットとも言えます。
また、仮想通貨だけでなく法定通貨を預け入れることによって利息を得ることもできます。
USD、EUR、GBPなどの人気のある法定通貨でロック期間やNEXOトークンの条件を満たすことでAPY12%以上を提供しているのです。
他のレンディング会社ではCoinloanが対応していますが、法定通貨で利息を得ることが出来る会社は少ないです。
法定通貨でも利息を得られる点もNexoのメリットと言えるでしょう。
また、ユーザーがNexoのネイティブトークンであるNEXOを使用することでAPYを2%上げることが出来ます。
また、入金、出金ですが、即座に行われる点も特徴的です。
入出金については対応が早くて使いやすいです。
同じ大手のBlockFiは出金に3日ほど日数を要するので、出金に関してもNexoの方が競合のBlockFiより優れていると言えるでしょう。
また所定の回数であれば出金手数料は取られません。ここも他のレンディング会社と比較して良いポイントと言えます。
Nexoの利息は市場の状況などによって変動することがあります。
最新の状況は、Nexoのホームページで確認してください。
2.Nexo Borrow(ローンサービス)
仮想通貨の利息口座と貸付プラットフォームでは一般的なビジネスモデルですが、Nexoも顧客から預けられた資産をローンに出すことで、ローンと預金の差でお金を稼いでいるビジネスモデルを取っています。
このNexo Borrow(ローンサービス)がNexoのメインビジネスです。
Nexoのローンサービスは、即時融資と40もの法定通貨に対応していることが主な特徴です。
ユーザからまず仮想通貨を担保にして貰い、ユーザーが預けた仮想通貨の一部を担保としてロックすることでローンを利用できるようにしています。
そして、ローンを返済すると、担保としていたコインのロックを解除できます。
Nexoローンを利用するうえで、LTVを低く設定しておく事が重要です。
仮想通貨を担保にした場合のローンサービスですが、仮想通貨の価格はボラティリティが高いので注意が必要です。
例えば、USDTでローンを組むためにBTCを預け入れたとします。
BTCの価格が上がると、担保としてのBTCの価値も高まり、USDTのローンの上限が引き上げられ、ユーザーはより多くのローンを利用できるようになります。
しかし、暴落した場合、担保額が低くなりLTV率が下がります。
Nexoローンを利用する場合は、LTVを低く設定しておく、または担保に入れた仮想通貨の価格を意識、設定したLTVが基準値を超えないように意識して借りる、運用する事が仮想通貨を担保にしたローンを利用するうえで重要なのです。
Nexoのローンサービスは下記より利用できます。
3.Nexo Exchange(スワップサービス)
Nexoでは仮想通貨のスワップサービスも提供しています。
175のペアに対応しており、0.5%のキャッシュバックなど多くの特典を用意しています。
私は使用したことがないですが、他レンディング会社と同様にレンディング会社上でのトレード機能には、隠れた交換手数料が発生しています。
実際私自身レートを確認したところ、かなり割高な金額で交換されるレートとなっていました。
基本的にはレンディング会社でのスワップ機能は使わない方がよいです。利用する場合は、販売所扱いなので、割高なレートで決済されることを認識しておきましょう。
なお、Nexoのスワップサービスの詳細は下記に記載されています。
4.Nexo Card
Nexoではカードサービスも提供しています。
他レンディング会社だとBlockFiやCrypto.comも提供していますが、カードサービスを提供できるのは大手ならではでしょう。
このNexoカードを使用すると毎回買い物時に2%のキャッシュバックの特典があります。
また、世界各国で利用可能で、その国のローカル通貨で計算され決済できます。
Nexoカードサービスの詳細は下記に記載されています。
NEXOトークン
NEXOではNexoトークンという独自トークンが2018年にICOで発行されています。
トークンはまず、チームと初期投資家に配布され、利益の最大30%をNEXO保有者と共有しているとしています。
そして、このNEXOトークンは、Nexoのローンと預金のエコシステムを支えています。
トークンを保持すると、配当のように会社の利益の30%のシェアを得ることができます。Nexoの公式発表によると、2018年以来トークン所有者に2000万ドル以上を支払ったようです。
なお、NEXOの総供給量は10億トークンに固定されており、現在5億6000万が流通しています。
トークンの価格は、最初の3年間で約0.09ドルと0.50ドルの間でしたが、2021年には3.60ドル以上に急上昇しました。
2021年のブル相場で大幅に価値を増したトークンの一つです。
Nexoトークン機能
Nexoトークンには、Nexoの利息口座を使っている顧客にとっていくつかのメリットがあります。
NEXOを保持している場合のメリットは下記のとおりです。
- 預金でさらに2%のAPYを獲得、ステーブルコインなら最大12%、その他の暗号通貨を8%に上昇。
- Nexoのローンを5.9%の利息で借りることが可能。
レンディング業界でAPYを上げたり、ローン利息を減らす特典を与えてるトークンは他にもあります。
CelsiusネットワークにはCELがあり、Crypto.comにはCROがあります。
CROについては、下記に記載しています。
Nexoも自社のユーティリティトークンの価値を上げるために、Nexoのサービス上で様々な特典を用意しているのです。
Nexoのセキュリティ
NexoはカストディサービスとしてBitGoとのパートナーシップを組んでいます。
Nexoのウォレットサービスは、ハッキング、改ざん、またはコンピュータウイルスから保護されるとしています。
Nexoの預かり資産は、マルチ署名で保護されたコールドウォレットに保存され、秘密鍵は、物理的な保護のためにクラスIIIの銀行の金庫室にて、BitGoを介してロックされオフラインで保存されています。
また、BitGoおよびLedgerVaultとのパートナーシップを通じて、Nexoの預金は3億7500万ドルの保険でカバーされています。
3億7500万ドルの保険はレンディング業界でトップクラスの保険額です。
ただし、現在Nexoが運用している預かり資産は120億ドルあります。
そのうちの何パーセントがBitGoのホワイトウォレットに保管され、BitGoとLedgerの保険にかけられているかは不明なのです。
もし万が一120億ドルすべてが失われた場合、Nexoの保険は資金の約3%のみカバー出来ることを意味します。
これはどのレンディング会社にも言えますが、保険をかけていてもそれ以上の資産が損害にあった場合、保険は適用およびカバーされません。
暗号通貨資産の保険はまだ非常に新しく、Nexoに匹敵する保険を提供しているプラットフォームはほとんどありません。
レンディング会社のNebeusはユーザ個別に保険を購入できるような対応もしていますが、Nexoはしていません。
保険については、気持ち程度に考えておいた方が身のためと言えます。
実際筆者も万が一ハッキングされてしまった時のことを考え、基本的にはレンディングサービス会社に資産を分散しています。
一つの会社に全資産を預けて運用することは避けるべきだと思っています。
またNexoはISO/IEC 27001でのセキュリティ規定基準に準拠しており、ハッキングなどのサイバーアタックに対して、監査を受けており認定されています。
Nexoは、同じ大手のBlockFiやCrypto.comなどの競合他社と同じくらい安全だとは思います。
ただし、どこまで保険がカバーされるかは不明のためリスクをしっかり認識しておく必要があります。
レンディングを利用する上で理解しておくべきリスク
Nexoに限った話ではないですが、レンディング会社を利用するうえで、考えられるリスクは下記のとおりです。
- 市場が暴落した場合、預けていた資金が利息以上の損失を出してしまう。
- 市場が暴落した場合、預けていた資金のLTVが下がり、ローンを即返さなければならない、または強制決済されてしまう。
- レンディング会社がハッキング被害に遭う、または内部犯行などその他の不正行為があり損失を出してしまう。
最悪の場合は、預けた資金が返ってこなくなるというリスクがあることを認識しておく必要があります。
カスタマーサポート
Nexoのカスタマーサポートですが、私は何度か問い合わせたことがありますが、個人的に最悪だと思っています。
ハッキリ言って、レスポンスが悪すぎるサポート体制だと考えています。
もしかすると、私が問い合わせをした時がたまたまだったのかもしれませんが、連絡をしたのに一切カスタマーサポートから返信がありませんでした。
正確には一度自動の返信メールは来ました。
現在大変混雑しているとの事の内容でしたが、すでに数か月たちますが未だに問い合わせの回答はありません。
私が問い合わせた事柄は大した問題ではなく、そのため何度も問い合わせはしませんでした。
ユーザが世界に300万人いるので、仕方ないと考え、資産分散管理の観点からいまだにNexoを使い続けています。
しかし、カスタマーサポートから連絡が一切来ないというのは問題だと思います。
Nexoのカスタマーサポートには期待できないと思っておいた方が良いです。ここは改善を期待したいですね。
なお、Nexoはツイッターでも広報活動をしており、業界でもCrypto.comやCelsius Networkに次ぐフォロワー数を獲得しています。
Nexoの長所と短所
最後にNexoレンディングサービスの長所と短所をまとめておきます。
長所 | 短所 |
300万人のユーザがおり、業界大手 | カスタマーサポートの対応が非常に遅い |
出金手数料は所定回数無料で、即出金される | 金利は他のレンディング会社と比較して低い |
保険は3億7500万ドルで業界トップレベル |
カスタマーサポートの対応が非常に遅いことが大きなデメリットだと思います。
しかし、システムに大きな問題などは今までに発生していないので問い合わせをしないのであればデメリットとも言えないかもしれません。
また、Nexoの金利はBlockFiなどの大手と同程度ですが、新興のレンディング会社に比べると低いです。
業界一のAPYを提供しているレンディング会社であるYouhodlerについては、以前解説した記事がありますので下記参照ください。
Nexoをおすすめ出来るユーザー
Nexoは、レンディング業界のリーディングカンパニーです。
ヨーロッパを拠点とする会社ですが、アメリカの各州でもライセンスを取得しており、アメリカの規制当局から規制されています。
現在ではヨーロッパのみならずアメリカおよび世界を相手にビジネス展開しています。そして、日本人も利用可能です。
私も海外在住の日本人ですが、問題なく利用できています。
ツイッターやWebでも日本人が利用していることをみかけることもあり、日本人にも知られた会社だと思います。
大手で有名のため、初めてレンディングサービスを使用する人にもおすすめの会社と言えるのではないでしょうか。
なお、株式会社jaybeが運営する大手仮想通貨メディアのJinaCoinでもNexoについて詳しく書かれているので参考にしてみてください。
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